今回はGTD的に言うところの『プロジェクト』について。
一般的にプロジェクトと言われたら、何か大人数を動員してお金をかけて……と、仕事っぽいものをイメージされそうですが、GTDでは「やることが2つ以上あるもの」は、すべて『プロジェクト』を呼んでいます。
プロジェクト
以前のエントリーでも書きましたが、私の中の『プロジェクト』の扱いは……
- 着手期間が複数日にまたがる
- コンテキストが2つ以上ある
上記2点をガイドラインに「シンプルか、そうでないか」で、アレンジを加えて判断しています。
プロジェクトで決めること
いざ「これは『プロジェクト』だ」と定めたあと、次の手順は『プロジェクトノート』の作成です。
ノートに書く項目は以下の通り。
- 実施期間など
- ざっくりとした『やること』
- ゴール設定
- やったこと・やらないこと
- 総括
こうやって予めざっくり計画することでプロジェクトの道しるべをつくっていきます。
実施期間は、そのプロジェクトに携わっている期間をメモしているのですが、仕事や人間関係など期間の区切れないものは、だいたい三ヶ月~半年ぐらいに区切っています。
半年以上先のことは見通しが立たず、進捗や環境によって計画変更することが多いため、そのたびに調整するのが余計な手間をかけてしまうことになるためです。
ゴール設定などもなるべく達成度が計りやすいよう数値化した方がいいのですが、ぼんやりとした目標しかない場合は、とりあえずプロジェクトを進めて、その後から具体化していくようにします。
また、「やること・やったこと」のメモでノートが埋め尽くされるとノートが読みづらくなってしまうため、なるべく必要な情報が一覧できるよう適度な情報量に区切っています。
『やらないこと』というのは、最初のうちは『やること』として定めていたものの、いざとなって「やる必要なかった」とか「今の段階で実施できなかった」「ずっと後回しにし続けていたので、ちょっと省略して次のタスクに着手する」などと、「やろうとしたけど、何かの理由でやらなかったもの」を集めています。
単純に削除でもいいですが、プロジェクト終了時に『総括』として振り返る際の資料的な役割として残しておきます。
プロジェクトの分類と挫折傾向
今回の記事を書くにあたって、改めて『プロジェクト』のことを見つめ直してみると、それぞれ性格によって扱い方が違っていることに気づきました。
特にGTDを実践している中で、たびたび挫折しては復帰し、また挫折して……を繰り返しているのですが、あとから眺めてみると、単純なタスクはあらかた片付けていますが、ほんのちょこっとでも先の見通しが立たない、または面倒くさそうな作業があると、そこで面白いくらい簡単に躓いています。
それぞれ「面倒くさい」は共通なのですが、その中でも性格の違う3つの事柄で分類して分析してみました。
チェックリスト
週次レビューなど、定期的におこなっているチェックリストです。
「手帳・家計簿の記入漏れを埋める」とか「写真のアルバム整理・バックアップ」とか。
定期的にやっておきたい項目をタスク管理アプリに登録して、タスクの通知が来たら実施するようにしています。
当たり前ですが、定型作業というのは面白みがありません。
そうして「今、やらなくても次回のレビューの時にやればいいか」と処理を省略しがち。
後回しにし続けて、もう一年以上バックアップをとっていない……ということがザラにあります。
対処法
何度も先延ばしにしているなら、まずは定期チェックリストの内容を見直しします。
チェックリストを完了させるのに、あまり時間がかからないように工夫します。
手間を減らすか、または頻度を下げるか。
そして、別のセット行動を探してくっつけてみたりと、工夫するようにしています。
セット行動というのは、私が勝手にそう名付けて呼んでいるのですが「席を立ったついでに、ゴミをゴミ箱に捨てる」など、何かの行動と抱き合わせで行動することをいいます。
だいたい週次レビューなどGTDでの見直しの段階にくっつけるといいようです。
週次レビューのついでに手帳の記入漏れを埋めるとか、月次レビューのついでに写真のバッグアップを取る……などですね。
繰り返しのプロジェクトタスク
先述のチェックリストと同じようですが、こちらの場合ひとつひとつの項目の粒が大きくなったものを表しています。
ブログの更新や勉強など、何度もやったことのあるタスクの集まりです。
ある程度、先のことが予測できて、さらにその結果が特に目新しいことも楽しいことも起こらないと感じているタスク群。
ダイエットなどわかりやすいのですが、たった1日トレーニングを頑張ったところで、直近で感じられる変化は二日後の筋肉痛ぐらい。
毎日積み重ねていくことで、半年後・一年後にはものすごい変化が訪れるとわかってはいるのですが、その前に飽きて、行動をやめてしまいます。
対処法
私自身もまだ実践しきれているわけではないのですが、モチベーションの低下が原因だと思っています。
そしてそのモチベーションに頼ってしまっている環境が最上級の問題。
解決策の一つは作業前作業。
作業に入る前に、準備行動をして気持ちをアイドリングします。
作業する前にさっと机の上を片付け、フローリングの床をクイックルワイパーで掃除する。
気が散りそうな情報はシャットアウトしていくような行動が適しているようです。
それでもさらに「面倒だな」と思ったときは、10分だけその作業をし、時間経過後は別の作業をします。
スマホに『OK,Google タイマー10分』の呪文を唱えると、あっという間にタイマーをセットしてくれます。
それにのって2つ、または複数の作業をスイスイと渡り歩きます。
10分もたなければ、7分、5分、3分とタイマー時間を短くしても構いません。
そうして面倒だと思う作業と、特に面倒とも思わない作業を交互に短時間ずつ着手していく。
やってるうちに作業を中断することに抵抗を感じてきますので、その段階で面倒だと思っていた作業に集中して取り組んでいきます。
よく巷では「マルチタスクはやめましょう! 脳に対してストレスだし集中力も分散してしまいます」と言われていますので、作業を中断して再開してを繰り返しているうちに、脳がそのストレスを避けようとしているようです。
ひとつのことに集中する方が脳にとってはウェルカムの状態なのか、やってるうちにノッてきているのか定かではありませんが、複数の作業を短時間に渡り歩くより、気の重い作業に集中する方を選ぶようになります。
もしもその状態にならなかったとしても、少なくとも10分間分の作業は確実にやり遂げているわけですから、それはそれでオーケーなのです。
「面倒くさい」とスタート地点で硬直している状態を脱せただけで、充分な成果があり……という解釈です。
見通しの立たないプロジェクトタスク
おもに初めてとりかかるタスクの集まりです。
先の見通しが立たないというだけで、脳がストレスを抱えます。
「面倒くさそう」と敬遠してしまったり、逆に気になりすぎて碌な計画も立てずに見切り発車で取り掛かってしまう。
よしんば計画を立てたとしても、その通りにならないことも多く、それがまた自己嫌悪のストレス。
計画変更に変更を重ね、その調整に時間を取られていることで、「こんなことをしている時間があったら、少しでも先に進められることがあるのでは?」と、プロジェクトノートを読み返さなくなる。
そうこうしているうちに事前の計画と実態は乖離していき、なんの後ろ盾を持たない『気持ち』が音を上げはじめる。
「ほんのちょっと」の気持ちでサボったら、あっという間に一ヶ月経過してて立派な計画倒れをキメている。
仕事など、ある程度の強制力がないものは、かんたんに挫折させてしまいますね。
対処法
見通しが立たないものを綿密に計画しようとするのが、そもそもの間違いです。
とにかく大まかにざっくりと3行程度で、「やること」や「いつまでにこうなっていたい」というようなビジョンをメモしておくにとどめておきます。
その中の「次にやること」だけを具体的な行動に書きおこし、タスクとして登録する。
まずは目先のことだけでも見通しを立てられば、驚くほどラクに行動に移すことができます。
プロジェクトに着手し、どんなものか詳細がわかってきた時点で計画を少しずつ肉付けしていくといいようです。