これから数回のエントリーに分けて、自分の中で繰り広げている情報整理のフローについて追っていきたいと思います。

今回はブレストと処理(見極め)手順についてです。

気になることすべてを頭の外に追い出す

ブレストという単語を使ってはいますが、要は『ひとり脳内会議』です。

GTDのトリガーリストを参照したり、何か見落としてないかを確認するため、年に一度はゼロベースから「やること・やりたいこと・気になっていること」などをブレストするようにしています。

それぞれ自分の中でカテゴリをつくっておき、『仕事、資産、人間関係、健康(美容)、趣味、タスクマネジメント、教養』などの中から、「頭の中の気になること」を洗い出していきます。

職業、母親、オタク……など、自分のペルソナごとにしてもいいかもしれません。

そして、この時使うのは『Workflowy』という、アウトラインエディタです。

先日のエントリーで紹介した『Inkdrop』でも悪くはないのですが、ダラダラと文章が書ける環境があると、それに甘えてすべてを文章化してしまおうと時間を無駄にしがちです。

アウトラインエディタなら、トピック(ノード)ごとの移動がラクなうえに、注目したいトピックのみを表示することも可能です。

仕事のことを考えたい時に、趣味の情報が視界に入ってくると気が散ってしまいます。

同様に情報を一覧化したい時に「小説なの?」と問いたくなるほどの情報量が目に飛び込んできても、自分の脳が処理しきれません。

アウトラインエディタにキーワードのみを入力していくのが、私にとっては丁度いいように感じています。

私なりのGTDフロー

気が済むまでブレストし終えたら、次いでGTDで言うところの『処理/見極める』の段階です。

瞬時に『やらない』を判断できるものは、その場でサクっと削除しますが、9割以上のタスク群は『やること』か、もしくは『実現可能そうなやりたいこと』、『やれるかどうかはわからないけれど、できればやりたいこと』の集まりです。

それらすべてに一度に着手できるわけもなく。
またすべての情報を整理しようとしたら、それだけで2~3日経過していたなんていうこともありました。

そうやって私なりに工夫し、少しずつアレンジをくわえて行き着いた先が以下のフローです。

やらない: ゴミ箱 or 資料 OR 誰かに依頼

ゴミ箱(…というか、削除)

雑誌など記事などを読んで、その人のライフスタイルに憧れ「これやりたい。マネしたい!」と思うことがありますが、改めて考えると「そうでもないな」と冷静になることがあります。

そういう単純な「やらない」とわかるものは、特別な理由がなければ削除して終わりです。

資料

何か整理しておきたい書類や、あとで見返すであろうファイルがあった場合、然るべき時に見つかるように然るべき保管をしておきます。……が、その資料整理に明け暮れると、いつまで経っても『処理(見極め)』が終わりません。

そんな時はGTDの2分ルールを応用して、「この整理は2分以内で整理できるか?」と問い、YESならすぐに整理。NOなら「○○の整理をする」というタスクを作成し、仮置き場所に保管しておきます。

作成したタスクは『次にやることリスト』へ預けておきます。

誰かに依頼

GTDの公式ルールでは、自分でやらないと決めたタスクは、誰かに依頼し『連絡待ちリスト』に保管することになっています。

私の場合は、誰かにやらせようと思ったとしても、だいたいブレスト・レビューしているのは夜の自宅ですので、電話やメールは憚られます。

頼み事するのは、だいたい口頭で依頼することになりますので、こちらも「○○について、△△へ依頼する」というタスクを作成することにします。

ここで作成したタスクは開始日を設定してそれまで放っておくか、急がない場合は、資料の時と同様『次にやることリスト』に保管して終了です。

無事に依頼し終えたら、任意の日付で「○○の進捗を確認する」というタスクを作成しておけば安心です。

行動するかどうか決めかねる

気になる情報

気になる作家さんの新作や、まあまあ好きな俳優さんが出演している映画の情報など。

まだ「買う」とも「行く」とも決められない情報は発売日、公開日の数日前にリマインダーに設定しておき、その通知を目にした時に改めて行動するかどうかを決めます。

または「毎月8のつく日は、近所のスーパーの安売りデー」などというのにも、日々、買いたいと思ったものをGoogleキープに登録しておき、リマインドされた日に買い物に行くかどうかを決めるようにしています。

できればやりたい

緊急性もなく、誰からの強制力もないけれど「なんとなく、やっときたい」と思うようなものがこちらに該当します。

やっておけば自分の生活を彩りを与えてくれたり、将来的に何か役立ってくれそうな事柄が多いです。

例えば「本職ではないけれどプログラミングの勉強をしたい」とか「クローゼットの中身をそろそろ整理したい」など。

GTDでは『いつか』のリストに放り込まれるものです。

ただ数年、実践してみてこの『いつか』のリストから消化されるタスクが少ないことに悩んでいました。

日々の雑務に追われ、それに飽きてその場で思いついた『やりたいこと』に飛びつき……。

『いつか』のリストに登録したタスクは、「今は忘れていい」と安心してしまいついつい放置してしまうように。

「これはイカン」と、最近では以下のような方法を試しています。

まず、このリストの中で「実現しやすそうなもの」や、「今の自分の中で優先度の高いもの」を選び出し、仮のプロジェクトとして『プロジェクトリスト』に登録するようにしました。

それ以外で「PTAの役割が終わったら」とか「来年から」…など、タイミングをみて着手できそうなことは、その周辺で「○○について着手するか考える」などのリマインダーを作成しています。

また時間軸でリマインドできそうにない「このプロジェクトが終わったら、次はあれをやろう」と思ったものについて、そのプロジェクトリストに「NextProject:クローゼットの整理」などメモを残しておくようにしています。

時を経て改めて「これは何か?」と立ち返った時に「やっぱりやらなくていい」と思い直すことも多く、その場合もやはりサクッと削除してしまいます。

イベント → カレンダー

参加するだけの「会議」や、「女子会」などイベントごとはGoogleカレンダーに登録しておしまいです。

忘れ物をしないよう、前日に持ち物を確認しておきたいと思ったら、その場で「○○の準備をする」というタスクを登録するだけです。

やる

2分以内で終わらせられるタスクは、公式通りにその場ですぐに取りかかり完了させてしまいます。

プロジェクトの定義

2分以上かかるものの中で、さらに『プロジェクト』になりそうなものについてですが、ここでも私なりにアレンジしていることがあります。

公式では「2つ以上やることがある」=『プロジェクト』としてプロジェクトリストを作成することとなっていますが、私の場合は別の基準で判断しています。

たとえば、やることが2つ以上あったとしても「○○の資料を確認しながら、▲▲の書類を作成し、××さんへメールする」と「資料の取り寄せ、書類作成、メール送信」の3つ以上やることがあったとしても、それがトータル3時間以内に終わりそうなものなら私の中では『タスク』です。

はじめての作業でしたら1日仕事になることも、毎月定型の仕事でしたらものの数十分で終わらせられます。

そういったものを杓子定規に『プロジェクト』にしてしまっていたら、きりがありません。

その都度ゴールを設定したり、専用のプロジェクトノートを作ったり……という管理の手間が省略することで、よりタスク実行に集中することができます。

逆に、やることは1つでも長期に渡る作業であった場合は、『プロジェクト』です。

たとえば「毎日、50回腹筋する」という習慣化させたいことがあったとします。

やることはシンプルにひとつですが、習慣化させるためには一日で終わらせることはできません。

以上のことを踏まえ、『プロジェクト』になるかどうかの判断基準としては……

  • 着手期間が複数日にまたがる
  • コンテキストが2つ以上ある

……と、しています。

ただ毎回、小難しく考えるのも面倒なので「シンプルかどうか」という判断で割り振りすることが多いです。

次にやることリスト

すべての処理(見極め)をやり終え、2分以内で完了できるタスクも終わらせたあとはプロジェクトノートの作成です。

ノートはこの段階ではあまり作り込まず、ざっくりとしたタスクを2つ3つ書くだけにしておきます。

続いてプロジェクトの中でも、緊急性のありそうなタスクを『次にやることリスト』に放り込みます。

ここで『処理/見極め』作業は一区切り。
翌日から『次にやることリスト』の中で着手すべきタスクを選び出し順次着手していきます。

そして日々のタスク実行と平行して、プロジェクトノートを充実させていく。

ノートを最初に作り込まないようにしているのは、それをすると情報整理に追われ、いつまで経っても最初のタスクに取り掛かれないためです。

またプロジェクトの中の最初のタスク2つ3つやり終えたら、最初に想定していた効果が得られなかったり、見積もりより時間やコストがかかる……と、いった計画を変更することがよくあります。

プロジェクトノートは作り込まず、状況を見て臨機応変に継ぎ足していくほうが、私はうまくいくようです。

そうして日々の雑務を片付け、プロジェクトリストに余裕がでてきたら、『できればやりたい』と思っていたリストの中から、順次プロジェクト化していきます。

まとめ

シンプルなルールで小さく始めればうまくいきそうなものですが、如何せん、GTDでカバーしようとしているのは『頭の中の気になることすべて』です。

漏れなくすべてを管理しようとすると情報量は膨大になり、その整理に追われてしまいます。

それをどうにか自分なりに工夫してきたありさまが、今回のエントリーです。

GTDを始めたばかりの人には複雑すぎてオススメできませんが、もしもうまくいかないと悩む時があったら参考にしてみてください。

参考文献

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