先日『全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』を買いました。
二見書房
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この本は、2008年に出版された『はじめてのGTD ストレスフリーの仕事術』を全面改訂した一冊です。
この本を読んで、自分なりにわかりやすくまとめた記事が以下です。
『GTD』って何?という人は、まずはサッとでも目を通してみてください。
読んでみると、前版からGTDの『コアな部分』はまったくブレていません。
前版をきちんと読んで理解できている人で、なおかつ「GTDやってて、もう迷ってない」と確信を持てている人は、この本を読む必要はないかもしれません。
私の場合はGTDを実践して9年ほどが経ち、慣れによるパターン化で機能不全を起こしていたことや、きちんとできていなかったことなどを知ることができたので、良いタイミングで読むことができてよかったと思っています。
そして、Amazonから届いた本を手にした時のツイートがこちら。
Amazonで注文してたの届いたー♪ ………予想より分厚いな。 pic.twitter.com/ITeinTWjnT
— フデ (@yumifude) 2016, 1月 7
若干、引き気味です。
普段、読みやすく工夫された実用書ばかり読んでいる人間にとってはハードルが、やや高めでした。
内容はどれも大切ではあるものの、気持ちが強すぎて同様のことを繰り返したりする箇所もチラホラ。
決して読みづらいワケではありませんが、いかんせんちょっと長い……。
2008年に出版された本も同じようなものでしたが、その頃はGTDがブームで、さまざまなサイトで解説や図解が盛んに書かれていたんですよね。
私は、それらを目にしてから本を読んだので、すんなり受け入れることができたのですが、この全面改訂版が本当に人生で「はじめてのGTD」だった場合、読み進めるの大変なんじゃないかな?と、いらぬ心配をしてしまいそうです。
誰かGTD普及のためにエッセンシャル版とか、入門編とか、マンガでわかるGTDとか出しませんかね。
それぞれのステップの名称が変更
さて、本題ですが冒頭で述べました、全面改訂版を読んで改めて理解したことについて、書いていきます。
今までGTD実践のための基本的な5つのステップとして『収集』『処理』『整理』『レビュー』『実行』と解説されていました。
全面改訂版では、それらの単語がすべて一新され、よりフォーカスすべき行動にピタッとあてはまるような言葉に置き換えられています。
- 収集 → 把握する
- 処理 → 見極める
- 整理 → 整理する
- レビュー → 更新する
- 実行 → 選択する
頭の中の気になることすべてを把握する
『収集』は、「頭の中の気になることすべてを一箇所に集める」という説明だったけれど、全面改訂版では「頭の中の気になることすべてを一箇所に集めて把握する」 に変わったようです。
GTDを続けているうちにインボックスに集まる情報が定型化されていき、流れ作業で『収集』、『処理』……と、進めているのに、何故か頭のなかはモヤモヤ。
作業を脱線して、まったく別のことに手を付け始める。と、いう経験が、多々あります。
つまり『収集』したつもりでも、実はヌケ・モレを発生させており、全体像を把握しないままGTDをやってるつもりになっていたんですね。
GTD第1のステップの肝は、「頭の中の気になることすべてを把握すること」なんだと、改めて気付かされました。
大切なのは「これは何か?」
もう一つは、GTDのフローチャートに則って、システマチックに「これはやらない。これは『プロジェクト』。これは……」と『処理』『整理』していき、いざ『実行』という段階になって、まったく手を付けないことも、やはりよくあります。
改めて『次にやることリスト』に居残り続けるタスクを見比べてみると、『やること』が抽象的だったり、漠然とやるつもりだったけれど、本当のところ実はやる必要のないものだった……と、『処理』段階で判断エラーがあったと気付きました。
つまりシステマチックに『処理』することは大切ですが、それよりも注力すべきは、インボックスから手にとったものに対して「これは何か?」と、先入観や決め付けなしに『見極める』ことなんですね。
GTDは選択するまでのメソッド
そして、最後にもう一つ。
GTD実践のキャリアだけは長く、「もうGTDの基本はマスターしちゃったな」と、慢心している私のハートにズキューーーンと矢を突き立てたキーワードがありました。
それはGTD実践の第5のステップ、『選択する』という言葉です。
これまでは「頭の中の気になることを然るべき受け皿へ預けた後で、ストレスフリーの心で『実行』する」だったのが、全面改訂版では「頭の中の気になることを然るべき受け皿へ預けた後で、やるべきことを『選択』する」と、ひとつ前段階の言葉へと置き換わりました。
実は、GTDとは「やるべきことを『選択する』までのメソッド」だったわけです。
目にした瞬間、雷に撃たれたかのような衝撃を覚えました。
GTDを実践していくうえで、レビューまではうまく回しているのに、どういうことか「なんだかヤル気がわかない。実行したくない。全然、やるべきことが片付いてない」という精神状態に追いやられることが日常的にありました。
「やるべきことをやるためのメソッド」は、別に必要なんです。
周囲の人をざっと眺めてみても、彼らより多くのタスクを片付けられているという実感はあるものの、私よりもっと多くのことをやり遂げている人が、ネットの世界にはたくさんいる。
それらの人びとはGTDやってる人もいれば、やってない人もいて、私との違いはシンプルに「やるべきことをやる」ことができている人たちなんだなと。
ここまで馴染んだGTDという習慣を手放すことは全くもってありえないのですが、それはそれとして、また別の『実行するためのメソッド』も、もっと研究すべきなんだと思いました。
それこそ、以前、このブログで触れたような『マニャーナの法則』のタスクダイアリーや『ポモドーロ・テクニック』が有効なんでしょう。
今までも、それらはGTDの『中』のひと工夫ということで進めていきましたが、これからはGTDの『外』のシステムとして、今まで以上に本気で取り組んでいくつもりです。
まとめ
実践歴だけは長く「基本はもうマスターした」と思い込んでいたわりに、気を抜くとすぐにGTDから脱線して、思いの向くまま・気の向くままに非効率的なことをやって、頭の中に漂う「なんか漠然としたモヤモヤ」を抱えていました。
この本を読んだことをキッカケに、心を入れ替え1年目のつもりで、またGTDに取り組んでいきたいです。