2021年4月から6月にかけて観た映画の感想(一部ネタバレあり)

コロナ自粛で友人と遊べない腹いせに、映画をめちゃめちゃ観ました。

この3ヶ月は公開延期の末の、やっとの公開……となった作品も集中してて、結構な本数観ていたことになりました。
(もちろん平日の人の空いてる時間帯を選んで、感染対策しつつの鑑賞ですよ)

今回のエントリーは、それらの簡単な感想など。
大雑把にネタバレを含んでいますので、許せないという方はまたいつかどこかで。

騙し絵の牙

騙し絵の牙
© 2020「騙し絵の牙」製作委員会

大泉さんにアテ書きした原作小説をもとに映画化。
でもそういうエッセンスは省かれて、より主人公のキャラクター『速水』を立たせて作られてたなという印象です。

原作通りになると思い込んで観に行って、だいぶ経ってから「おや、これは違うぞ」と気付いたのですが、これはこれでアリだなと思いました。

大泉さんはコメディもいいんだけれど、実は悪役やらせた時もキラッと光るんですよね。
(この映画で『ズバリの悪役』をやっていたというわけではないけれど)

そしてとにかくキャストが豪華。達者な俳優陣の演技を堪能できました。

『騙し絵の牙』という原作タイトルに引っ張られた脚本になっていたので、そこがちょっと残念ですね。

あと、予告とかで『あなたは絶対、騙される』と言われると、身構えちゃうので即刻やめてほしいと常々思っています。

「感動の○○」とか「ラスト、○分、驚愕の展開」とか「ドラ泣き」とか、観てる側の心の動きを、作り手側(ていうか宣伝部)が、断定してくるのがハラたって。

お客を呼び込むための文句として効果があるからやってるんでしょうが、それにしてももうちょっとどうにかならないスかね。

名探偵コナン 緋色の弾丸

名探偵コナン 緋色の弾丸
© 2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

あまり大きな声では言えないけれど『平次のオンナ』『安室のオンナ』現象って、実は乗れてなくて。

安室さんのことは好きなのに、なんか公式から「カッコいいでしょ。ほらカッコいいでしょ!」とされると、及び腰になっちゃうんですよねぇ。

もともとのコナンが好きだった人間にとって、ここ数年のコナンフィーバーは正直怖かった。
言うても、近年の女性ファンたちに比べて情熱があるわけでもなし。お金を落とすでもなし。

時代に取り残されて、自分の求めてたのと違う方向へ行ってしまうのか……と、肩身の狭い思いをしていたのですが、今回は久しぶりに面白かったです。

女性ファンを意識した演出もあったりもしましたが、スポットを当てられたのが『ザ・大人の男 赤井さん』だったために、そこまであからさまな「さあ、萌えろよ女ども!」という意図がなく、スッと物語に没頭することができました。

今回のゲスト声優さんもそこまでド下手くそじゃなかったので、良かったです。

コナンはこれの良し悪しで本当に、映画の印象が引っ張られちゃうので。『業火の向日葵』とか、なんでもない役どころに、榮倉奈々使ったら、そりゃもう犯人だろうが!と。

案の定、犯人だわ。声がまんま榮倉奈々だわで、あれは1、2を争うガッカリでしたね。

今回は、ちゃんと脇役で浜辺美波の声の演技も邪魔にならずに本当に良かったです。

ところで黒の組織との対決も、もう佳境!……と、十年前くらいに思っていたものの、来年は警察学校組とのことで「これ、マジで終わらせる気ないな」と悟りました。

つい文句ばっかり書いてしまいましたが、今も昔も大好きな作品です。
こういう流れも全部ひっくるめて楽しんでいこうと思っています。

21ブリッジ

21ブリッジ
© 2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.

ブラックパンサーで主演をつとめ、昨年8月、がんのため亡くなったチャドウィック・ボーズマンの作品。

あと海外ドラマ『クローザー』でポープ副本部長役だった、JKシモンズも結構目立ったキャラで出演で、この2人の俳優さん目当てで観に行って来ました。

NYマンハッタン内で起こった事件。
島であるマンハッタンをつなぐ17の橋と4つのトンネルを封鎖して犯人を追跡しようというお話。

物語冒頭で内務調査を受けるほど、「犯人を殺しすぎる」主人公を作り上げつつ、その実、ちゃんと正義を見極められる人で、犯人と対峙しても全然撃たない。……と、見せかけてからの、黒幕であった警官たちを最後ガンガンに撃ちまくるという爽快感。

正義のため、仲間のため……と、戦う主人公の背後で暗躍していたのが汚職警官でしかも右も左も敵だらけな状態だったっていう皮肉が効いてて最高でした。

さらに汚職警察官の汚職理由がまた皮肉っぽいというか、生々しいというか……。
そんな理由で汚職に手を染めてしまったら、もう歯止めもかけられないまま、ズブズブになっちゃうねぇ……。

重厚感ある音楽や画作りに対して、派手な銃撃戦やカーアクションがありつつの、物語がこの後、どうなっていくのか集中して観ることができました。

久しぶりに『洋画らしい洋画』をスクリーンから浴びることができたし、観に行って本当に良かったです。

るろうに剣心 最終章 The Final

るろうに剣心 最終章 The Final
© 和月伸宏/ 集英社 (C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員会

てっきり京都編と同じように前後編で、縁とのやりとりをやるんだろうなって観に行ったので、薫が死なないまま物語が終わってしまってビックリしました。

伊勢谷友介の件で、四乃森蒼紫のエピソードをがっつり削ったら、ああなっちゃったとかですかね。

個人的には原作で左之助推しだったので、賑やかしか噛ませ犬みたいな扱いにはガッカリ。

実写版の映画だと、総じて神谷道場まわりの面々があまりにも軽んじられていて解せないです。

薫もちっともピンチにも陥らず、それでいて戦うわけでもなく。
自分の手を汚さず、汗もかかずの状態で「きっと巴さんは、優しい人」みたいなセリフ吐いたときには違和感しかなかったです。

多分、自分の中で「え、このオンナちょっと独善的じゃない? そんなことちょっと聞き齧っただけで人の気持ちを断定するのって安易すぎない? そんな本人にしかわからない複雑な葛藤やら何やらをいい話風に一言でまとめられたら、たまったもんじゃないよね」となりました。

脚本には文句たらたらですが、相変わらず殺陣は素晴らしく。

このシリーズの魅力はとにかく漫画原作で出てきた、とんでもな武器や武術・剣術をどう実写で表現しきるかどうかで、とっても見ごたえがあるんですよね。

キャラそれぞれの殺陣に個性が表現されてて、ずっと観ていたくなります。

トレンディドラマに出まくってたあの江口洋介が、牙突のポーズ取ってくれるだけで、もう痛快ですよ。

地獄の花園

地獄の花園
© 2021「地獄の花園」製作委員会

大真面目な悪ふざけを、ここまでやりきったら、それはもうアッパレですよ。

掛け値なしに面白かった。
この作品の前に観た『るろうに剣心』の感想が「役者が豪華で、殺陣が凄かった」なのに対して、まさかこの作品でもまったく同じ感想になるなんて思いもしなかった。

もちろん、るろ剣ほど派手な動きはありませんが、OLが喧嘩するということでみんなハイヒールで戦ってて、それだけでもう個人的にはスタンディングオベーションですよ。

駆けて、ジャンプして、着地して、即座に蹴り入れて……。いやいや、凄い凄い。

物理的に「いや、そうはならんだろ」ってツッコミたくなる動きも、コミカルで好きでした。

あと、OL同士の会話の中身の無さが凄かったです。
役者さんたちアドリブでやってるのかわかりませんが、脚本だったとしたら逆に凄い。あそこまで空虚なまま、会話を続かせる術が私にはないので尊敬します。

るろうに剣心 最終章 The Biginning

るろうに剣心 最終章 The Biginning
© 和月伸宏/ 集英社 (C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

とてもクオリティが高かったです。
すごく心の動きとか、ヒロイン(巴)との交流とか丁寧に描かれてて、ひとつの独立した作品として良かった。

………て、いうかですね。

実写版の1作品目からずーーーーーっとエピソード詰め詰めで、物語は駆け足に、豪華な役者陣の派手な殺陣を売りにしていた作品だと思っていたので、「え? 最後に来ていきなりこういう作り方なの?」と困惑しましたよ。

それができるなら最初からそうして欲しかった。

なんで、巴にそこまで力点をおいちゃうのか。
『るろうに剣心』という作品においてのヒロインは薫じゃないのか?

大友監督、ひょっとしてFF7はエアリス派か?

とっても質の良い、解釈違いの同人誌を読んだときの複雑な気持ちを味わいました。

出来が良かっただけに解せない気持ちでいっぱいです。
こっから、またスタッフ・役者同じままに『リブート』として、ひとつひとつのエピソードを丁寧に撮り直してくれないかなー。

キャラクター

キャラクター
© 2021映画「キャラクター」製作委員会

予告を観て「ただグロくて胸糞な気分になるだけの映画なのかなー」と、おっかなビックリ観に行ったところ、とても面白くて大興奮しました。

原案が、『闇の伴走者』の作者さんとのことで、納得のリアリティ。

安いヒーローイズムに流されることもなく、若干、社会問題に触れつつも、ラストは少しの希望と、そしてやんわり不穏な空気と、なんとも言えない余韻を感じさせるような、とても重厚な作品だったと思います。

「伏線て、こう張っていくんだな」っていうお手本のような脚本。
説明的なセリフを入れなくても、会話の端々や仕草にさりげなく、それでいて脳裏にしっかりと刻み込まれた巧みなシーン。それを邪魔しない達者な演技。

何もかもが良かった。

2度目、3度目に観ても、また新しい発見がありそうです。

今んとこ、今年観た中で一番面白かった作品かなと思います。

ザ・ファブル 殺さない殺し屋

ザ・ファブル 殺さない殺し屋
© 2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会

前作で「そこは漫画でやってたから受け入れられたけれど、実写でやると厳しいのでは……」っていう、シーンが、結構マイルドになっててホッとしました。

木村文乃の酒を飲むシーンとか、演技が上手いだけにイラッときてたんですけれど、今回はなくて良かった。
……と、言いつつ、デザイン事務所社長との宅飲みエピソードが削られたのは残念です。

今回、長いエピソードをだいぶ整理してガツッと省略しつつ、ちゃんと要所要所を抑えてて素晴らしい脚本に仕上がってましたね。

それはそれで文句はないのですが、組長暗殺から敵との同居および仕事紹介までの流れや、一部完結のあたりまで別の作品としてもう一本作ってくれませんかね。誰か適当なとこからラスボス引っ張ってきて。

それはそうと相変わらず岡田准一のアクションが素晴らしくて。
『フライダディフライ』の頃、こんなに大躍進するなんて思ってもいなかったです。

もう足場崩壊のシーンとか、「これはこういう岡田准一専用に作ったアスレチックなんじゃないかな」って思いました。