娘と行ってきました。
アニメ以外の映画を娘と一緒に観たのは初めてかもしれない。
予告ムービー
感想
まずは、何はともあれ戸田恵梨香!
『駆込み女と駆け出し男』、『エイプリルフールズ』と立て続けに戸田恵梨香が主要キャストの映画となったけれど、相変わらず良い演技してましたわ。
今回は頭のキレるキャリア警官。
タフで行動力があり、孤独にもめげず、ハードな境遇にもめげずにここまで駆け上がってきた人。
シンブンシ一味のリーダー格、ゲイツ(生田斗真)と対象的な相手として非常に良い味出してたと思う。
捜査の途中で、ゲイツの過去を少年期の経歴から就職先での挫折、入院し、空白期間を経てのハローワークへ…と、どんどん辿っていくシーンが、なんとなくパトレイバーの劇場版を彷彿とさせたよ。(あの映画は犯人が確信犯的にやっていたっぽいけれど)
ハロワで仕事が見つからず、辿り着いた先は面接も履歴書も必要ない、斡旋者たちにその場でハイエースに乗せられ作業へ駆り出される怪しい仕事。
戸田恵梨香に、それを調べさせることがこの物語のキモだったのかなって思う。
そしてシンブンシ達が、とにかく最高!!
キャラクターも、それを演じてるキャスト陣も!
生田斗真は言わずもがな、濱田岳くん、鈴木亮平さん、そして荒川良々さん…と、とにかくみんながみんな素晴らしい!
性格が全く違うだろう彼らが、どうやって出会い、何がキッカケで事件を起こすに至ったのか。また、根は善良であろう彼らが犯罪を犯すに至るに説得力のある説明。物語として、かなり秀逸な出来だったと思うよ。
最後、荒川良々の涙は卑怯だよ(´;ω;`)
あと鈴木亮平は見る作品によって、本当にガラリとキャラクタを変えてくるから、マジで凄い。今回は金髪、バンドマン崩れの関西弁のお兄ちゃん。
朝ドラで顔と名前を覚えてからの、変態仮面だったことを知った時の驚きが今でも忘れられない。今後も注目していきたい俳優さんだね。
あとは主要キャストではないけれど、今、売り出し中であろう窪田正孝くんや、『渇き。』で強烈なヒロインやってたあの子(名前忘れた)も出てて、なかなか秀逸な人選だなあ…と、見てて思ったよ。
田中圭一くんは、ああいうキャラがよく似合うね。個人的にはもう少しイヤな奴に仕立てて大コケさせるか、戸田恵梨香の見方役として今後の展開を期待させるキャラのどちらかに転んで欲しかったけれど、そういう描写もなくどっちつかずに使われていたのが、勿体無く感じるところ。
まあ、その分、シンブンシ達の絆に丁寧に時間を裂いてたわけだから、これはこれで良いか。
シンブンシ達の動機
わざわざ動画配信してまで犯行予告し、なんで世間を煽るのか。
目立ちたいだけなのか、世界を変えたいとでも思っているのか、ただの鬱憤晴らしか…、と思いきや、物語が進むに連れ、「まさか、これ?」という過去が明らかになる。
正直、「いいな」と、思ったよ。
下手に動機がショボくもなく、途方もない崇高なビジョンがあるわけでもなく。金も地位もない彼らが動く理由は、確かにそれしかないわな…という印象。
多少、犯行計画が雑で運任せじゃね?って突っ込みたくなるシーンもありはしたけれど、なんか許せちゃう。
下手にゲイツが天才キャラだったら物語の軸もブレちゃうし。
人間味の感じられるキャラで、観ていて親近感を感じることができることのほうが重要だもんね。
ちなみにシリアスな物語が展開する中、シンブンシ一味がトラックを襲う?シーンがコミカルで好きよ。
最後のオチ
世間を騒がせたシンブンシ一味が、どのように幕を引くのか。
動機は分かったし共感もしたけれど、どう決着つけるの?と、思っていたら、残念なオチ。
やらり無罪放免にするワケにもいかず、物語の途中でそうしようとしているシーンがあったので、まあ納得なんだけれど、美談で終わらせすぎてる気がして、ちょっと好きじゃない。
けど、ここが落としどころなのかな。
仲間割れとかもってのほかだし、倫理に基づいた許容範囲ギリギリのハッピーエンドだと思う。
最後、みんなでお寿司囲むシーンが、また泣かせるね。
このシーンのためだけに、物語の中盤でゲイツに仲間をスマホで撮影させてたのかなって思う。なかなか良い気配りですわ。あれがなければ、いきなり動画撮るのって、ちょっと無理があるもの。
何はともあれ、オススメです(・∀・)